2024-03
26
緑園都市 自分たちで夕食を作ってみました!③
連続ブログ小話 『ギブギヴ ~ 限界緑園調理日記』
第3話 くろまく襲来!
「自分たちのごはんだから自分たちで作ってみたら?
本人らの満足にもなって、職員の負担も減るんじゃない?
買い物にもメンバーが行ってさ」
簡単に言ってくれるぜ。
付随する苦労を想像して、そう口から出そうになりましたが、止めておきました。
自分たちのことを自分たちでやってみて、生活を充実させる。
これはグループホームの目標としてまさに王道かと思われたからです。
~第1話抜粋~
簡単に言ったのは何を隠そう私!「くろまく」こと統括責任者Yです。
24時間利用者の安心・安全を考える真面目さ、(嘘です)
職員の負担を減らそうと夜も寝ずに考える優しさ、(嘘です)
まさに統括責任者の鏡!くろまくYが緑園都市に来る~~~~~!
という事でお風呂を沸かして、利用者の帰りを待つと続々と皆が帰ってきました。
特に熱い抱擁もなくいつも通りです。
「また入院するの?」といつものやりとりHさん。
「お!やまちゃん」とドライなあいさつNさん。
「お久しぶりです」といつも丁寧なIさん
「お姉さんと電話繋がりませんでした」と私と関係ない話ばかりのTさん
などなど。
久しぶりの挨拶もほどほどに、
今日もNさん主導でオムライス作りがスタートしました。
Nさんに「今日私は何もしませんので」と言うと
Nさんが「お米くらい炊けるでしょ!やってよ」と。
「いやいや、私はしませんよ。全部自分たちでお願いします。火事にはしないでね❤」
Nさんが何やらブツクサ言っています。
そうです!私くろまくはとても意地が悪いのです。
続いて野菜を切っている最中にNさんが泣き始めました。
くろまくYの意地悪さにとうとう泣き始めました。
「どうしたの?」と聞くと「玉ねぎで涙が止まらない・・・」とのこと。
まだまだくろまくの意地悪が足りない様子。
お次は鶏肉を小さく切って炒めています。
この工程ではフライパンに入っている野菜を一旦ボウルなどに出して、
フライパンで鶏肉を炒めるというひと手間があります。
当然くろまくは意地悪なのでそんなことは死んでも教えません。
すると・・・大きいボウルを取り出し炒めていた野菜を一旦外に出すじゃありませんか!!
何もなったようにNさんは鶏肉を炒めています。
「ちぇっ」くろまくは心で舌打ちします。
お次は炒めた野菜、鶏肉とご飯を一緒に炒めてケチャップで味付けです。
フライパンを右手に握り、左手には木のヘラで均等に熱が入るよう炒めています。
さあ!両手がふさがった状態でどうケチャップを入れるのか!
くろまくは利用者のミスが好物。いまかいまかと待っていると・・・。
「Hさ~んケチャップ入れて」とNさんは手伝いを呼びました。
奥義「イッショニ」です。
奥義を出すことで、無事に共同作業でオムライスの具が完成。
あとは卵を乗せるだけ。ここでも奥義「イッショニ」がさく裂。
卵担当大臣Iさんを呼び、卵割と卵溶きをIさんに、
焼くのはNさんという共同作業で見事なオムライスが完成。
Nさんは創作が止まりません。コーンスープに豆腐を入れ始めました。
くろまくは大喜びです。「こんなの美味しいわけがない。ヒッツヒッヒ」
さらにくろまくは攻撃を仕掛けます。「野菜がないな~」と。
するとNさんは冷蔵庫からほうれん草を取り出します。
コーンバターで炒めようと言い始めました。「メチャクチャ美味そう!」
くろまくもついつい心の声が出てしまいます。
ここでアクシデントです。ベーコンとコーンがないのです。
くろまくの大好物アクシデント!くろまくがニヤついていると、
冷蔵庫からベーコンの代わりにハム、
コーンの代わりにミックスビーンズを取り出し、バターで炒めて完成させました。
さあ待ちに待った実食!!!
まずはメインのオムライスをパクリ。
うまい!
まいう~!
うマーベラス!
とうふコーンスープもゴクリ。
普通にありでした。
ミックスビーンズとほうれん草とハムのバター炒めもパクリ。
くっそ美味いやん!
美味しい食事のお礼にフライパンなど少し片づけたくろまくは、
電話がかかってきたため事務室に。
20分後にリビングに戻ると、
汚れていたガスレンジやキッチンがピカピカに!
テーブルも拭いといたよ!
とNさんから報告を受けました。
自分たちのことを自分たちでやってみて、生活を充実させる。
これはグループホームの目標としてまさに王道
くろまくの脳裏に担当職員Aの明言が木霊します。
くろまくは次の悪だくみを計画するのでした。
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