緑園都市　自分たちで夕食を作ってみました！②

連続ブログ小話　『ギブギヴ　～　限界緑園調理日記』
第2話　親子丼

オムライス作りを成功裏に終えた緑園都市に、新たな知らせが舞い込みます。
「じゃあ10/24に食べに行くから。メンバーに任せてみてください！

ホームを全焼させなければいいので！」
オムライス作りの顛末を聞いた統括責任者（くろまく）が視察にくるというのです。

主力のNさんは「えー」と驚きつつも、次の瞬間には「何作ろう？」と俄然やる気をにじませています。
秒で指を切ったIさんも、「今度は切らないようにします」とこちらも燃えています。
その他のメンバーも思い思いに統括襲来を楽しみにしています。何しろ滅多に来ないので。
そんなわけでパートさんのいない火曜、今宵も修行が始まるのでした。

今夜のメニューは親子丼。
Ｎさんは変わらず全行程を主導しています。
特に鶏肉の切り方には何かこだわりを感じさせます。実は親子丼が大好物なのです。
ただどの調味料を使うのか、これを分かっていなかった。
「油、みりん……、醬油じゃないし…？」
「これはニセ親子丼ができそうだぞ」
職員に煽られましたが、パソコンで調べて事なきを得ました。
相談できるのは素晴らしいですね。

Iさんは玉ねぎにリベンジを挑みました。
おっそろしい包丁捌きでしたが、何とか血の一滴も出ることなく完了です。
加えて意外な才能発見です。なんとIさんは、卵を割るのと混ぜるのが得意でした。
「作業所でやってます。今日もやりました」
卵担当大臣誕生の予感です。

その他のメンバーは今日は応援でした。
職員はというと、豚汁を作って遊んでいます。

当日の食材と一泊旅行のお土産のこんにゃくを有効活用でき、一人で満足そうです。

都合よく冷蔵庫に入っていたかいわれを乗せ、色合いも良い親子丼ができました。
Nさんは「うめっ」と小さくこぼし、自分の出来栄えに満足していました。
Iさんは「美味しいです。来週もやります」と無傷の勝利です。
Hさんは「豚汁うまいよ豚汁～」と随分豚汁推しです。

Nさんが「親子丼は？」と聞くと「おいしいよ！」と答えています。
それ以外からも「ありがとう」とか「うまい」とかコメントをもらい、

Nさん・Iさんは自信をつけているようでした。

来週はいよいよ統括責任者が登場です。
いかなドラマが展開されるのか、非常に楽しみです。